

東京国際フォーラムの「中島みゆきコンサートツアー2007」東京公演に出かける。
東京公演は本日が二日目、18時時半ほぼ定刻に開演。
赤いドレスで颯爽と登場した中島みゆきの張りにある歌声が響く。
「一期一会」、「with」、「命の別名」、軽妙というかお笑い系のしゃべりを挟んで歌われる哲学的ともいえる歌詞に、何とも不思議な気分に陥った行く。
「ララバイSinger」の曲中に、(感涙ものの)「アザミ嬢のララバイ」を挟んで歌う演出には、ジーーンときた。「アザミ嬢のララバイ」は1975年のデビュー曲、それを昨年発表の「ララバイSinger」と違和感なく融合させて、30年変わらぬ中島みゆきワールドの個性を実感させられた。
TOKIOに提供した「宙船」の(TOKIO用)デモを歌ったコーラスの宮下文一がその歌声を披露し、二番を中島みゆきが歌うという演出もあって、トークとともにお楽しみ所も随所にある。
昨年、中島みゆきが「吉田拓郎&かぐや姫 つま恋コンサート」にサプライズゲストとして参加したのも吃驚したが。今夜はその吉田拓郎の「唇をかみしめて」が歌われ、度肝をぬかれた。
ええかげんな奴じゃけ
ほっといてくれんさい
アンタと一緒に
泣きとうはありません
理屈で愛など
手にできるもんならば
この身をかけても すべてを捨てても
幸福になってやる
人が泣くんヨネー 人が泣くんヨネー
選ぶも選ばれんも 風に任したんよ
人がおるんヨネー 人がそこにおるんヨネー
行くんもとどまるも それぞれの道なんヨ
人が生きとるネー 人がそこで生きとるネー
人がおるんヨネー 人がそこにおるんヨネー
広島弁で歌われる拓郎節が、みゆき節になってしまう。
さらに、ドラマティックに歌われた「ファイト!」には泣きそうになった。
「私の敵は 私です」
「闘う君の唄を 闘わない奴等が笑うだろう」もはや何をか況や。ただどっぷりと中島みゆきの世界に浸りきる。
「同じ時代に生まれてくれて、ありがとう。」というメッセージには、思わず震えた。
こちらこそ、『あなたの才能に触れる事のできる時代に生まれたことに感謝』。
アンコールでは、でました「本日、未熟者」、さらにややロック調にアレンジした「地上の星」、ラストは「背広の下のロックンロール」。
最後まで、かすれない声、舞台上で見せる凛とした姿も崩れない。
とんでもない50代だ。