2008年2月28日木曜日

キャラメルボックス公演『きみがいた時間 ぼくのいく時間』」初日


サンシャイン劇場で演劇集団キャラメルボックス公演「きみがいた時間 ぼくのいく時間」の初日を観賞。
原作は梶尾真治のタイムマシンSFもの。
独特の緊張感と熱気がただようなか幕を上げた舞台は、劇団公演でヒロイン役が多い岡内美喜子演じる秋沢真帆の独白で始まる。主演の(かつて”テレビに魂を売った男”と製作総指揮の加藤昌史にからかわれた)上川隆也演じる秋沢里志が登場、今回のヒロインで客演の西沢繭子演じる梨田紘未が加わりスムーズに導入部分が展開する。さすがに初日の為か、台詞の言い直しや微妙な間の悪さはあるが、そんなことより、3年ぶりにキャラメルボックスの舞台に帰ってきた上川の生き生きとした演技がとにかく光る。上川にからむ西川浩幸、坂口理恵、岡田達也ら劇団ベテラン陣が、硬軟緩急自在の上川をなんなく受けて投げ返す。同じ劇団で汗を流してきた役者同士の阿吽の呼吸が、小気味よい。 内輪受けギャクも目立ったが、会場が間髪入れず反応するところをみると、上川ファンで初めて劇場に足を運んだ観客より、筋金入りのキャラメルボックスサポーターの方が客席の多数派か。
「僕は39年前に行く。君を救う為に。ふたりの運命を変えるためにー」 、
 切なく熱く一途に人をおもう秋沢里志(上川)に感動させられ、時を越えるおもいがあることを信じたくなる二時間半だった。

劇団史上初の15分休憩あり。だが、その休憩も飽きさえないおまけ付き。この劇団のサービス精神に脱帽。
来月末のは再度観賞予定だが、どんな風に変わっているのか、今から楽しみだ。

客席で劇団の大森美紀子、實川貴美子をお見かけした。

2008年2月14日木曜日

プレタポルテ公演『ちいさき神の、つくりし子ら』

俳優座劇場で、プレタポルテ公演『ちいさき神の、つくりし子ら』を観賞。
マーク・メドフ 作で1980年ブロードウェイ初演の作品で再演を繰り返している。
今回は、中谷まゆみ作のハートウォーミングストーリー演出で定評のある板垣恭一が演出、主演は岡田達也(演劇集団キャラメルボックス)と自身が難聴である津田絵理奈。
舞台両端に字幕モニターが設置され、全編手話が使われる。岡田はキャラメルボックスの「嵐になるまで待って」で経験しているとはいえ、台詞を手話と口話で同時に喋るという難役、津田はクライマックスシーン以外は、すべて手話。他の出演者も、全員が手話を使う。
 ストーリーは、、
  ろう学校に赴任して来た口話教師のジェームス・リーズ(岡田)が、サラ・ノーマン(津田)という若く美  しい先天性ろうの女性と出会い、サラに口話を教えることになる。。が、彼女は口話を全く受け付けな  い。そんな彼女に興味を抱き、、やがて彼女を愛し始めるジェームスと彼に惹かれ始めるサラ。
  しかし・・・・・・

キャラメルボックスの看板俳優であもある岡田の演技力は危なげないが、この舞台では真摯で純粋だが心に闇を抱える口話教師に鬼気迫る演技をみせる。相手役の津田も聡明で情熱的なろう者を演じて、初舞台とは思えぬ表現力で応える。
口話&手話(ジェームズ:岡田)対手話(サラ:津田)という難しいシュチュエーションを、見事にさばき、テンポを萎えさせない板垣
演出も見事。
 
  聴者と聾者、完全聾者と難聴者の違い、差別。同化とは? 愛とは?
ひとつひとつが重く、深く心想せねばならない事柄を前に、途方にくれるとき、サラの台詞(手話)
 「互いの違いを理解することで、はじめて対等の関係になれる」 に、ハッとさせらる。 
 そこからしか始まらないんだ。

  貴方が私の力になってくれたから、私もあなたの力になれる。『結ばれる(手話)』



休憩挟んで2時間40分を、全く飽きさせず集中させてくれた。
期待以上の、名作名演だった。


岡田所属の演劇集団キャラメルボックスの俳優、三浦剛、渡邉安理、さらに日本最初の聾唖女優で2002年「嵐になるまで待って」で岡田と競演した忍足亜希子らも、場内でお見かけた。



2008年2月13日水曜日

宇宙を味わう


数名とらと二次会へ流れた。
場所は、我が青春のバー湯島の「K」。
ここのマスターがつくるドライ・マティーニが、知りうる限り最高のマティーニ。
ジンとドライ・ベルモットだけでつくられるこのカクテルは、作り手によって、その時によって、飲み手によって、それぞれ違う味わいがある。
それは、まるで、カクテルグラスに注がれた宇宙と云ってもよい。
そして、「K」のマスターは、27年前からいつも宇宙の無限と普遍を味あわせてくれる。
二杯目に頼んだジャック・ローズが、眠りを誘い、夢に落ちた。

2008年2月12日火曜日

美酒を愛でる会

本郷通りから菊坂を下り始めると、周りの様子は一変する。生活感豊かな下町風情に、何故か「帰って来たような」不思議な感覚に襲われる。
古に本郷区菊坂町七十番地に居を構えた明治の天才・樋口一葉の「奇跡の十四ヶ月」(1895年1月『たけくらべ』の連載を開始から完結まで、その間『大つごもり』、『にごりえ』、『十三夜』、『わかれ道』を発表し、その数ヶ月後逝き急ぐように24歳で夭逝した)に思いをはせながら、250メートルも歩くと、目的地である「そば処」に到着。

今夜は、我が一行総勢18名で貸し切り状態。定刻前だが、中をのぞくと、既に数名が到着。19時にはほぼ顔を揃え開宴となる。
既にグラスが三つ用意され、店の主人の説明の後で口開けとして供されたのは、いまやその名も高き蔵元となられた福井県吉田郡永平寺町の黒龍酒造の長期低温熟成純米大吟醸「石田屋」、四合正価一万円強がプレミアで五万は下らないとか、いやいや一杯数万だとか伝説の絶えない酒。口に含むとほのかな甘みが香り、するりとした喉ごしはシルクのよう、主人の御指導に従い口を閉じて喉から立ち上がる独特の木香を堪能する

さらに並ぶは、もはや修辞無用の銘酒、「十四代」二種。この時点で、贅を尽くした今宵の企みに、軽い眩暈すらおぼえる。「醸し人九平治」(聞き逃したが『別誂』だろうか)、限定ものも「東洋美人」、「磯自慢」と引きも切らず。ただただ美酒に悶絶の時がゆく。

冷蔵庫の前で、物欲しげに中を覗くと、主人が傍らから声をかけてくれた。
「こんなのもどうですか?」
むろん、有り難く頂戴した。
「こんなもの」とは、「十四代」さらに二種、しかもその一つは「十四代 龍泉 大極上諸白」。至福と云わずになんと表現した良いのか.....

甘めのつゆの「鴨抜き」も美味、〆の蕎麦は立派な更科でこれも旨い。
気がつけば23時に近く、お開き。夢のような時間だった。

2008年2月3日日曜日

ゆ、雪だ



朝から、しんしんと雪が降っている。
本日、研修会に出席予定だったが、即、断念中止。
ほぼ一日中降っているが、一体明日の朝はどうなることでしょう

2008年2月2日土曜日

鶏そば

午前中の仕事が終わり、帰宅途中の中華料理屋で昼食。
ここの「鶏そば」はなかなかいける。
少々塩気が強いが、風邪のために昨日、一昨日と発熱してやや脱水気味の身体にはちょうど良い加減。
今日は連れ合いが外出中、借りていたDVDでもみながら静養する。