2008年2月14日木曜日

プレタポルテ公演『ちいさき神の、つくりし子ら』

俳優座劇場で、プレタポルテ公演『ちいさき神の、つくりし子ら』を観賞。
マーク・メドフ 作で1980年ブロードウェイ初演の作品で再演を繰り返している。
今回は、中谷まゆみ作のハートウォーミングストーリー演出で定評のある板垣恭一が演出、主演は岡田達也(演劇集団キャラメルボックス)と自身が難聴である津田絵理奈。
舞台両端に字幕モニターが設置され、全編手話が使われる。岡田はキャラメルボックスの「嵐になるまで待って」で経験しているとはいえ、台詞を手話と口話で同時に喋るという難役、津田はクライマックスシーン以外は、すべて手話。他の出演者も、全員が手話を使う。
 ストーリーは、、
  ろう学校に赴任して来た口話教師のジェームス・リーズ(岡田)が、サラ・ノーマン(津田)という若く美  しい先天性ろうの女性と出会い、サラに口話を教えることになる。。が、彼女は口話を全く受け付けな  い。そんな彼女に興味を抱き、、やがて彼女を愛し始めるジェームスと彼に惹かれ始めるサラ。
  しかし・・・・・・

キャラメルボックスの看板俳優であもある岡田の演技力は危なげないが、この舞台では真摯で純粋だが心に闇を抱える口話教師に鬼気迫る演技をみせる。相手役の津田も聡明で情熱的なろう者を演じて、初舞台とは思えぬ表現力で応える。
口話&手話(ジェームズ:岡田)対手話(サラ:津田)という難しいシュチュエーションを、見事にさばき、テンポを萎えさせない板垣
演出も見事。
 
  聴者と聾者、完全聾者と難聴者の違い、差別。同化とは? 愛とは?
ひとつひとつが重く、深く心想せねばならない事柄を前に、途方にくれるとき、サラの台詞(手話)
 「互いの違いを理解することで、はじめて対等の関係になれる」 に、ハッとさせらる。 
 そこからしか始まらないんだ。

  貴方が私の力になってくれたから、私もあなたの力になれる。『結ばれる(手話)』



休憩挟んで2時間40分を、全く飽きさせず集中させてくれた。
期待以上の、名作名演だった。


岡田所属の演劇集団キャラメルボックスの俳優、三浦剛、渡邉安理、さらに日本最初の聾唖女優で2002年「嵐になるまで待って」で岡田と競演した忍足亜希子らも、場内でお見かけた。



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