演劇界の巨人逝く。つかこうへいの訃報は衝撃だった。
はからずもその追悼公演となった『広島に原爆を落とす日』をシアターコクーンで鑑賞。
冒頭、舞台背景に「作 つかこうへい」の文字が大写しになると、それだけで胸にせまるものがある。
芝居は、女優陣の線の細さが気になるが、そんなものは些末にすぎない。
主演・筧利夫の鬼気迫る熱演にはどんな称賛の言葉も陳腐になる。
「いったいどれほどの恨みや憎しみがあれば、原爆投下のボタンを押せるんだ。どれほどの苦しみがあれば、広島市民40万を虐殺できるんだ?もし此の世に原爆を落とすに足る40万人もの人間を虐殺できる意思というものがあるなら、俺はそれを知りたいんだ。」
幕がおり、”65年を経てその意思を知り得ただろうか”そんな思いで瞑目した。
そして、「つかこうへい」と「井上ひさし」の居ない時代の重さに慄然とする。
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