2007年12月13日木曜日

湯島へ~「池之端藪蕎麦」


朝から雨模様だが、湯島に所用があるという連れ合いに同行して外出。目的は昼食。
湯島といえば名店はひしめき合うが、お目当ては藪蕎麦御三家の一角をなす「池之端藪蕎麦」(おむかえの「金太楼寿司」にも心は引かれたが)。
決して大きな店構えではないが上品な佇まいで迎えてくれる。手際の良い店員の動きも粋のうち、今日は連れ合いが天麩羅蕎麦、私はあられ蕎麦を頼んだ。芝海老のかき揚げがのった天麩羅蕎麦も捨てがたいが、海苔のかおり豊かで半生の小柱の食感が楽しめるあられはまさに江戸前の極みであろう。蕎麦は細くその食感、香りともに言うこと無し。つゆは浅草の「並木藪蕎麦」ほどに濃くはなく中庸とでも評すべきか。とにかく美味い。


調べてみると、「藪蕎麦」のルーツは、団子坂蔦屋の神田連雀町店(現在の神田淡路町2丁目)。これを明治13年に浅草蔵前で「中砂」というそば屋を営んでいた「堀田七兵衛」が譲りうけ、屋号を「薮蕎麦」(「かんだ藪蕎麦」)としたことに始まる。やがて御本家の蔦屋が廃業し、その看板は「薮蕎麦本店」として”かんだ 藪蕎麦”が継承。さらに大正2年(1913)には、「堀田七兵衛」の三男の「勝三」がに浅草並木町で出店。今に続く名店「並木藪蕎麦」となる。「池之端藪蕎麦」は「勝三」の次男の「鶴雄」が始めたもので、この三店が藪蕎麦御三家と称される。
江戸前蕎麦を語る上で、藪御三家は欠かせない。

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