2007年10月21日日曜日

柘榴坂逍遙


JR品川駅高輪口から第一京浜(国道15号)越えて、西側にのぼる坂道がある。
柘榴(ざくろ)坂と呼ばれる。
見た目よりも登りは意外にきつい。坂の北側はかつての薩摩藩島津家下屋敷で現在はホテルパシフィック東京、やがて品川税務署。
税務署の前には金木犀が植えられていて、この季節はその芳香で迎えてくれていたが、改装中故か今日はその香りはない。
かつて30年は昔、この坂道を闊歩した思い出は、常にこの香りと共にあった。
やがて改装なった税務署に、再び金木犀も戻るのだろうか。
見上げれば、街路樹の葉が朝の日差しに反射して眩しい。
やがて、旧 北白川宮邸跡地に建つグランドプリンスホテル新高輪に到り、坂は終わる。
振り返って、坂を見下ろすと、追憶の芳香が一瞬ただよったように感じた。
 
 調べてみると、柘榴坂は、太平洋戦争中、出征兵士が品川駅から出る軍用列車を待つ小休止場になっていたことがあるらしい。この坂から見る景色が、最後の東京となった多くに若者がいたであろうことに思いをはせ、その平安を祈る。

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