2007年11月27日火曜日

Aging with Grace. Aging with Dignity



認知症についての三回に及ぶ勉強会の今晩が最終回。
講師のM先生の名調子も三度目で益々熱が入る。
三回ともたいへん勉強になったが、今日の講演の最後に紹介された話と言葉は大変感動的で心に残った。
米国では1986年からNun Studyと呼ばれる高齢の修道女を対象としたアルツハイマー病の前向き調査が進行中で、崇高な篤志で死後献脳してくれた修道女の脳が解剖され調べられているという。そこから多くの知見が得られているが、驚嘆すべきことのひとつに、生前に認知症の症状がみられなかったにもかかわらず脳には高度のアルツハイマー病の病変がみられた例が数%もあり、脳の神秘的とも云えるという”力”を思わせ、またアルツハイマー病の発症予防や進行を抑制に希望的な事実として受け止められた。
この話を紹介されたとき、”Aging with Grace(優雅なる加齢)”という言葉も紹介された。(これはNun studyを紹介したデビィッド・スノウド博士の著作のタイトルでもある)なんと美しい言葉だろうか。
加齢が、身体能力や知的能力の衰退でしかないのなら、それは忌むべき事としか思えない。が、加齢は人智を尽くして今なお避け得られない天命でもある。ならば、優雅に歳を重ね老いる、それは能力の衰退に悲嘆するばかりではない日々があるに違いない。
 さらにM先生は、勉強会第一回目で紹介された言葉”Aging with Dignity(尊厳ある加齢)”も、再び示されて講演を閉じられた。
 
    ”Aging with Grace(優雅なる加齢)” 
    ”Aging with Dignity(尊厳ある加齢)”

 並べてみると、ともに、なんとも美しく、味わい深い、深遠な響きをもった言葉だろうか。
認知症高齢者のみならず、すべての高齢者が目指すべき目標であり到達点であるように思う。
 
  残念がら、それを許す寛容さを、この国がもてるかは別として

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