2007年8月30日木曜日

邀月 快適

    山道を車で猫空へのぼる。猫空という地名の由来は、渓谷の石が水の流れにより穴が穿たれ、それが猫がひっかいた痕のように見えたため「猫の穴(空)」と呼ばれるようになったということで(ガイドの陳さんによれば「猫が一匹もいない。だから猫が空という説もある」と)、その由来となった壺穴という石が台北市茶業鉄観音包種茶研発推廣中心の近くにあるらしい。茶業鉄観音包種茶研発推廣中心には昨年行ったが、残念な事にこの石を見物する機会には恵まれていない。。

    茶藝館「邀月」は昨年に引き続き二度目。到着すると、「去年もここへ来た」と運転手の笵さんが笑顔で教えてくれる。
    昨年は屋外に席を取ったが、今年は暑さをしのいでエアコンのある室内に。それでも、窓から見える山の緑は眩しく、何故か心が静まる。

    鉄観音の名産地ではあるが、あえて金萱茶(40g330元)を注文。台農8号と硬枝紅心という品種の人工交配でうまれた台茶12号(品種改良の父・呉振鐸博士のお母様のお名前に因んで「金萱」と名付けられたという)は、ミルクのような香りとすっきりとした後味が特徴、今日のような暑い日には最適 のはず。
    一口飲んで、その選択の正しさに自画自賛。
    ほっこり、のんびり。快適。
    市街地から一時間もかからずに、こんな自然のなかで、ゆっくりお茶を楽しめる台北市民に、少々嫉視。

    今回は昼食もここ「邀月」で。去年に比らべ片言の日本語で接客してくれる女性が一人いるが、メニューは当然中国語、茶を飲みながら連れ合いとしばし推理、相談し、三品をチョイス。
    やや推理結果と異なる現物が登場したが、どれも抜群に美味い。

    さっぱりとした茶油をつかった「茶油手工麺線」(150元)は量の多さに吃驚したが、喉ごしよく、するすると食べられる。

    この店のお得意らしい「香芒水晶鶏」(370元)、骨付き蒸し鶏をマンゴーフレーバーのしょう油につけて食べる。最初の一口は違和感だが、その美味さがしみてくる。皮下のプルプルコラーゲン地帯が水晶の由縁か。

    「蒜炒空心菜」(130元)、見た事もない大きさの空心菜(そういえば空心菜に初めてであったのも台湾。空港近くに土産物屋二階の食堂だった。今でこそ日本のスーパーでも見かけるようなったが)。
    どの料理も素朴で、しかし味付けもしっかりしながら素材のうまみをいかして、とても茶藝館が片手間にだす料理ではない。
    大満足の昼食。
    昼食後は再び、ゆっくりお茶を楽しみ、たっぷり2時間の滞在。

    「邀月」とは、「月を招く」という意味で、ここは、月が美しく見えることでも有名なのだそう。月見酒ならぬ月見茶も試してみたい気がする。。



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