2007年8月29日水曜日

大禹嶺礼賛、文山包種称賛




台北市街地に入り、ガイドの陳さんお勧めのお茶屋さんへ。ガイドさんに連れて行かれるお茶屋は、たいがい土産物屋の片隅で雑ないれ方でたいして美味くないお茶を飲まされる事が多い。それも、観光ガイドさんのおつとめと察してお付き合いするのだが、今回案内されたお茶屋は、市内でよく見かける普通のお茶専門店。客は我々だけで、片言の日本語を操る店主が迎えてくれた。まずは試飲をと勧められて座った目に前の棚に、高山茶の至宝「大禹嶺(ダイウレイ)」の茶缶が並んでいる。台湾中部、標高2600メートル以上の高地で採れる最高級の高山茶のひとつだ。このお茶を、渋谷の華泰茶荘で初めていただいた時の、鮮烈な印象は忘れられない。その力強い清香、口中にひろがる自然な甘みに、言葉を失ったものだ。
「大禹嶺ですね」と指摘すると、なんと店主は試飲させてくれという。この稀少高山茶を試飲させるお茶屋は初めて。驚いている間に、店主は、蓋椀で手際よくいれ茶海から聞香杯に注いでくれた。香り高く、しっかりとした高山気(山頭気)を感じ、当然美味い。
しかも値段を尋ねてみれば、日本とは比較にならないくらい安い。
陳さんの通訳も頼って、ついつい店主とお茶談義、蜜香高い「東方美人茶」も試飲。
かつて欧州社交界に魅了し台湾茶の代名詞ともなったこのお茶について、店主の講釈を拝聴。
さらに、包種茶を所望してみた。花香に優れるこのお茶は、普段最も飲む中国茶。願いがかなうことを意味する「中」(種に発音が近い)を「包」んでくれるとして、台湾では縁起の良いお茶とされている。包種茶は、多くの烏龍茶のように、茶葉を球状または半球状にする団揉をしない。だが、店主が自慢げに見せる包種茶は、団揉されたもの。「これで保存も長くできるようになった」と。そしてその味は、期待以上の花香と清涼感あふれる逸品。
思わず買い込んでししまったが、大満足。

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