2007年8月9日木曜日

「売春捜査官」


新宿紀伊國屋ホールで北区つかこうへい劇団「売春捜査官2007」を観賞。
観劇前の昼食は紀伊国屋書店ビルBF1のモンンスナック。カウンターだけの小さな店だが、サラサラカレーが絶妙。最後の一滴まで皿を舐めたくなる。
 つかこうへい作「熱海殺人事件」をベースにした芝居は、常に進化し続け、今や何バージョンあるのだろうか。主役の木村伝兵衛部長刑事を女性が演じる「売春捜査官」も、そのひとつで、かつての大分つかこうへい劇団・由見あかりのが鮮烈だった。それを女優・黒谷友香が演じる再演。一昨年の別バージョン「平壌から来た女刑事」では、ただ怒鳴っているだけ、台詞の棒読み(しかも噛みまくる)、「努力は認めるけど....」という状態だったのだが、去年「売春捜査官2006」では全く違っていた。まさに、つか芝居で黒谷が化けた。堂々たる木村伝兵衛を演じた。その後「蒲田行進曲 〜城崎非情編〜」でも、小夏役の好演も目立った。
さて今年は、幕が上がりタキシード姿の黒谷登場、その瞬間からグイグイと舞台に引っ張られるような迫力。感情表現が豊になり、激しいつか芝居を自分のものにして緩急強弱をコントロールしている。顔を真っ赤にして涙をためながら、それでも声はしっかり出ていて台詞が聞き取れる。実に見事な演技に拍手。
 「ったくもう。何度言ったらわかるんです。もう女が男に幸せにしてもらう時代じゃないんです。女も幸せは自分のその手で勝ち取る時代なんです。」
 熊田留吉刑事に武田義晴、犯人・大山金太郎役で小川岳男と、つか芝居常連の役者が脇を固め、二時間を堪能させてもらった。

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